Everything Is My Fault

2011-11-19

noda nagi









先週、最終日滑り込みで銀座G8にて開催されていた
野田凪展を観に行って来た。

甘いなかにも毒のようなスパイスの効いたデザイン。
どこか違和感を感じるが、なぜかそれに惹かれてしまう。
彼女の作品を初めて見たとき時、そんな印象を持ったのを憶えている。



























数多くの作品が展示されており、とても見応えのある内容だった。
どの作品も素敵であったが個人的にはマーク・ライデンとのブランドである
broken label ”の洋服も展示されており、正直テンションが上がった。



" broken label "








また彼女が手掛けた事でも有名な

ラフォーレの広告なども数多く展示されていた為か
今回の野田凪展を通し改めて気付かされたのは
彼女のアート的な部分に対する才能はもちろんのこと、
広告的な部分における才能も素晴らしいということだった。

NIKE, Coca Cola, SUNTORY, ANAなど名立たる企業の広告を
彼女にしか出来ないであろう表現で見事に作り上げていたのが印象的でした。


サン・アドの安藤 隆氏の言葉を引用するならば

”アーチスト気質の野田 凪が、
会社の仕事として 広告をやることになったとき、
広告ができるかなあと、 わたしを含め、まわりの人間は疑った。
広告はアートじゃないからさあなどと、したり顔して言った。
ところが凡庸な想像力を笑うように、彼女はできた。 広告がうまかった。
アートと広告を摺り合わせるという 苦労も見せず、
何かを取引みたいに譲歩してという 痕跡もなく、
やすやすと広告表現にすることができた。
天才たちは、困難な問題の、最大の難関どころを、
ポンと、またはパッと、という仕方で乗り越えるのだという。
長嶋茂雄も、アインシュタインも。
野田 凪もそのような秘密のやり方を使ったのだろうか。”

または
BEAMS RECORDSの青野氏の言葉を拝借するなら

”クライアントのことを目一杯吸い込んで、一気に息を吐き出し、
その風力でまわりを蹴散らす肺活量の強さが素晴しい。
それでいて、独りよがりでなく、そのクライアントにしかマッチしない
ワン・アンド・オンリーな物語を紡いでいる。
心に残る理由は、ちゃんとある。”

という彼らの表現に全く遜色ない
ユニークかつ興味深い見事な広告作品が多かった。




Laforet 広告







NIKE "swimキャンペーン"




SUNTORY ”ラテラテ”





Coca Cola コマーシャル




そんな素晴らしい才能の持ち主であった野田凪。
他にも色々な素敵な作品が沢山ありますが、
僕は彼女がディレクションを務めた、このMVが今でも印象的です。


YUKI " センチメンタルジャーニー "

3年前に彼女の訃報を聞いたときも、ぼんやりと
この曲が頭に思い浮かんだの今でも憶えている。
もちろんこの曲はYUKIが作詞した曲ではあるが
何となく野田凪なら

”さよならは言わないで いつかまたどこかで 逢えるかしら”

と空の上で僕らを嘲笑うかのように
言い放つのではないだろうかと思った。
そんな気さえ漂わせるくらい特異的で
類いまれなるセンスを持ち合わせた、
自分にとっては眩しいくらいの輝きを放つ
素晴らしいアーティストの1人であった。





blind



Short Film


" Turning away from Today's reality will blind our future."
- 現実に目を閉ざすものは、未来に盲目である -